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これまでの道・・。 no.28
そぅ、ここで描くことを止めたりしたら、今晩眠れなくなってしまうに違いない・・。
細胞まで染み込んだ、心の 「毒」 を 出さなければ・・・。


 そぅ、自己コントロールを失くした私は、彼にメールを見せたのだ。

 「・・・・ねぇ、、これ事実なの?」 涙を必死でこらえて聞いた精一杯の一言。
しばらくの沈黙があったような気がする。 そして、、彼はうつむきながら言った。
 「うん、事実・・。 でも・・」

続けて何かを言おうとした彼の言葉に、重ね伏せるように言った私の怒りの言葉・・。
 「事実って!? 私があんなにもあなたを信じて待ってたのに??」
 「愛してる・・ あのメールを何度も読み返して、必死で堪えてた私は何だったの?」
 「私を想って別れると言ってくれた言葉は嘘だったの?」
 「どれだけ行ってやろうかと思った、けれど、あなたに、あなた自身に解決して欲しかった・・」

次第に、怒りが涙に変わっていった・・。 涙、涙、涙、、 悔しさとショックで何がなんだか・・。

すると彼がポツリと言った。
 「別れたんだ、俺たち。 ○○を裏切ってしまったけど、本当に別れたんだ・・」

しばらくショック状態が続き、あまりよく覚えていないが、顔を会わせざる得ない日々の
あの精神的な辛さだけは、しっかりと覚えている・・。 身体が忘れたくても忘れられない・・。

 そんな喧嘩とも言えない対話を明け方まで続ける日々がしばらく続く。
私は彼に 「辞職」 を お願いした。 そして、これ以上踏み入る前に別れたいと告げた。
けれど、赴任したばかりの彼の役割は始まったばかり、今辞めるわけにはいかない、と。
 あまりのショックで混乱していた私だったが、手にした今あるこの仕事におけるチャンスを
お前ごときで逃すことは出来なかった、いや、絶対に私は辞めない! 自分の心に堅く誓った。

きっと、何もなかったように彼は平然と 「よい人、よい上司」 であることが目に見えたから。

 そんなことが私達2人に起こっているなんて、仲間の1人を除いては誰も知らない職場。
今にも溢れ出しそうな涙を必死で堪えて、彼との現場を打ち合わせ~完工まで成し遂げた。

お互いに午前様は当たり前・・。 疲れきった心身で彼とまともに話し合う時間など無かった。

 彼から、もう一度やり直したい・・ 今度こそ信じてくれ。 そう言われた。
しかし、そんな簡単に傷ついた心を埋めることなんて出来やしないょ、、、本当に。
 「私はあなたを許さない、あの女も・・。 日陰の恋なんてまっぴら御免だね。
  ドロドロした恋愛がしたけりゃ、私の前から消えて、不倫を続けりゃいいんだょ!」
 「私は思いっきり恋愛をしたいの! どうしちゃったの? あなたはどんな人?」

次々と彼に対する人格を疑うような言葉を浴びせ続けた私・・。
けれど、彼は黙ってそれを聞いていた。 うんともすんともなく、ただただ聞いていた。

 そんな姿を見ていたら、なんだかとっても気の毒な人に見えてきてしまったのだ・・。
この人、ずっと不倫なんていう日陰の恋をしてたんだ・・ 太陽の光の下、恋愛させてあげたい。
 お節介ばばぁもここまで来ると、病気。。(><;)
「私が、あなたを楽しい世界に引っ張っていってあげる」 そんな感じだったような・・

結局、不完全燃焼のまま顔を会わせる社内恋愛の辛さに耐えられる自信もなかったし、
彼を信じたい、救ってあげたい気持ちから、再起をかけた彼との生活が始まる。


しかし、、、 数ヵ月後、彼女から連絡が・・。  私はまたまた地獄を味わった。

 
なっ、なんと、、、妊娠した!という。 
そぅ、GWの、、あの時の子だ!とハッキリと告げる彼女。

まさか、これが彼女の復讐だったのだろうか・・。 
客を装って彼宛の電話・・、メール、電話、、   彼は困惑していた。

私だって、困惑なんてもんじゃなかったょ、そりゃ・・。
けれど、向こうが求めてきたのは彼ではなかった。 そぅ、中絶費用。
「あなたの子供が欲しい、そう言ってSEXしたんだけど、産むわけにはいかない・・」と彼女。
  ----- ぶっ殺してやりたかった、、彼もあの女も!

数日後、彼ら2人では話にならない・・ そう確信した私が初めて動いた。

 「次の定休日を使って、福島へ行こう! そうきちんと会って話をしましょう!」
妊娠の事実を確かめること、どんな腐った女か見てやりたかった気持ち、彼自身の再起・・
私に迷いはなかった・・。  そして、彼は営業として致命的ともなる髪をまるめ、いざ福島へ。

不思議と怒りはなかった・・。 というより、、、
素直に聞き入ってくれた彼の行動にもう一度信じてあげたい気持ちが芽生えていた程だ。

 旦那の目を盗んで現れた深夜のファミレス、ついに女は現れた。
しかも、なんとも堂々と、新たな不倫相手のお供付き。 これには私は目が点・・。
こんな奴のために悩んだことが、アホらしく感じられた。 まともに会話をする気が失せた。
 どんな会話で女を生き地獄へと誘ってやろうか、、色々考えていた車中での考えも消えた。
私は、助手席で待ったまま、彼と彼女だけで話をさせた。 
私を裏切った彼に、馬鹿女を目の前にして、坊主頭で自分の言葉でけりをつけさせたかった。 

 それから、待つこと3時間くらいだったろうか・・。 朝陽がまぶしかった車中の私の記憶。
朝8時までには千葉に戻らなければ・・ そう、また朝がくればいつもの職場勤務へ早戻り。

 泣きながらドアを開けて出てきた彼女は私のところへやってきて
「ごめんなさい、申し訳ありませんでした・・。」  それは普通の主婦、痩せ型で小柄な女だった。

一発ぶっ飛ばしてやる! そう思っていた私の行きの勢いは到着と同時に消えていたため、
私の表情を覗き込む彼女に、私は何一つ言葉を出さず、じっと恨みの目で見つめ無言で会釈。

車に戻ってきた彼、、 彼にも同じように無言で会釈した。
そして、そのまま無言と化した車は走り出した。

数時間後、、いつもと変わらぬ合同朝礼から始まった職場。

「その頭、どーしたの?? 昨日、何があったんですか?」 
 部下に苦笑いする姿に思わずニヤニヤ・・の私。 仲間の1人が私を見つめた、私はうなずいた。


こうして、やっと再起を遂げた! そう感じていた私。
心の中の本音を言えば、1人の迷い児を救ってあげたのだ・・ そんな感じだった。


  しかーーし、その後、、、

  刻一刻 と 彼は、正体を明かしていったのであった。  地獄の日々の始まり・・・。
ふぅたmama
これまでの道・・/心の棚卸
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thema:生き方 - genre:ライフ


「相田みつを」 書より。
 心の棚卸しを一番したかったのは、そぅ今描いている進行中の彼のことだったのかも・・。
 押し殺してきた苦悩の日々、、まだまだ始まったばかりの彼との交際について描き出した。
 そして、これから・・・。 そぅ、まだまだ「生き地獄」は続くのであった・・・。

 脳の記憶システムが、、今日も私を過去に引き戻した。
 鮮やかに、目を閉じると浮かぶあの苦悩の日々・・ 早く棚卸しして解き放ちたい・・。

 心臓がバクバクして、、 そぅ、パニック症の発作がまた出るのでは? 
 いつも、いっつも迷惑かけてごめんね、私の心臓ょ・・。
 

 うつ病と診断された半年前、24時間バクバク高鳴っていた心臓。
 どんな場所でも自分の心臓音しか聞こえないほどだった、あの頃・・。

 あの頃の私に、勇気・生きている証をくれた師の書。
 しんぞう
 今も、生きている、、生かされているこの瞬間、、 私の心臓ょ、ありがと。

 だいぶ疲れちゃったでしょう・・、 でも あなた無しでは生きていけぬ私。
 これからも、ずっと一緒に・・ 宜しくお願いします。


 心の棚卸しをblogで綴るようになり、自己洞察も同時に進行されている。
 少しずつ解き放たれていく過去のトラウマのお陰で身体が浄化されてきている・・。

 だから、大丈夫。   
 苦しみの中にも、心地よさを得ている心境。 
ふぅたmama
伝えたい コト・モノ/ 気づき
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thema:モノの見方、考え方。 - genre:心と身体


これまでの道・・。 no.27
数日後、、そぅ、突然のメール。
送信者は・・? そぅ、彼女から。 見たこともない女からの1通の真実を語るメール。

必要以上には何も語らない彼・・。

平然とその間も一緒に仕事をしていた。とくに、その時の物件は数千万円もの大物件。
それゆえ、一緒に肩を並べながらプランを練り、打ち合わし、現場に同行することが日常。
職場恋愛ならではの、辛ーい経験とでも言うべきなのだろうか・・。

1通のメールが来てからの日々は、、、 辛い辛い辛い・・・・ 初めて仕事が嫌になった。
私の隣に平然と座って、お客様に説明を共にする彼を憎しみの目で見つめていた。

お客様からは見れば、人生一度の大舞台であるリフォーム工事。
こっちの勝手な喜怒哀楽で物件をめちゃくちゃにするわけにはいかない・・。
そう、私は彼への憎しみと怒りを、ものの見事にお客様への最高の対応へと変換させた。

それが、生きている私の証だった。

どんなに辛くても、明け方まで一睡もせずに泣き明かしたとしても・・ 
それはお客様には一切関係ない。 こんな私に工事を任せたいと言ってくれている・・。
その気持ちに応えたかった・・。 そして、そんな私を救ってくれるのはお客様だった。
お客様と打ち合わせをしていると、自分を必要としてくれる人の存在を強く感じた。
絶対に満足させてあげたい、、 完成後には笑顔が見たい、、 いつも思っていた。

彼を憎めば憎むほどに、私は笑顔を絶やさなかった。


       ------ 彼女のメール ------

   ○○さんですか?こんにちは、△△と申します。
   先日、GWに彼の家に泊まりに行きました。
   さぞかし、心配されたことでしょう。

   GWの3日間、朝から晩までSEXしました。
   「愛してる?」そう聞くと、彼は答えました。
   「愛してるょ・・ 中に出してもいい?」
   私達は、何度も何度も愛し合いました。
   私は幸せでした。               以上。


 言葉を失った私・・・・・・。 丁寧に説明して下さってありがとう、とでも言ってやりたかった。

 目を閉じると知りもしないその状況が、頭の中で鮮明に再現される葛藤の日々。
 メールを知らない彼は、いつもと同じように平然と隣にいる。そぅ、誠実な営業として。

 ハハハハハーーー、騙されたょ。 ハハハハハハハーーーーーー。(号泣)

 いっそ、テーブルでも持ち上げて、この男は客に手を出すとんでもない奴だ!とでも言って、
 狂った勢いで、お客様や職場の人たちの目の前で殴って、その場を立ち去ってやりたかった。

 でも、そんなこと出来なかった。。  怒りを通りこした、虚しさでいっぱい。
 とりあえず、彼と仕事をする1日1日を過ごすのがいっぱいいっぱいだった。

怒りの矛先は、完全に彼に向かった。 この嘘つき淫乱男! 殺意さえ感じたことを覚えている。


過去にタイムスリップして、脳が重ーくなり、脈拍が高くなってきているのでこの辺で・・。
また、気持ちの整理をしてPCに向かいます。
ふぅたmama
これまでの道・・/心の棚卸
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thema:生き方 - genre:ライフ


これまでの道・・。 no.26
 そぅ、悲劇の幕開けは静かに始まっていった・・・。
 かつてない程の、「 この世の生き地獄 」 を 私は経験することになったのだった。


それまでの私の恋愛は、好奇心に興味が加わった直感的な云わば衝動的な恋愛が多かった。
それゆえ、予期した通りの苦労を味わった。 やっぱりなぁ、、と思うような惨事ばかり。

けれど、今回こそ違う! そう思わずにはいられなかった。
自他共に認める「誠実さ、優しい人柄」。 いや、私より他人の評価の方が数段上回っていた。

 新店舗も、開店直前の数秒前まで作業を続け、連日の徹夜の甲斐もあって無事OPEN!
身体の悲痛は隠せなかった、、 けれど、やり遂げた達成感でいっぱいだったあの日・・。
もちろん残業手当もなければ、休日出勤手当てもない。ただただ、その達成感を目指していた。

 やっと彼とのデートらしいデートをすることができるようになったのも、この頃から・・。
それまでのブサイクとの夜の縄張りを行き来するような行動を変えるべく、映画に、夜景デート、
何気ない散歩まで、久々にデートらしいことを経験した私はまるで少女のようだったハズ・・。笑

そんな矢先、彼の所属する千葉店の店長(私を目の上のたんこぶと称した人)が退職。
新たな店長率いる、千葉店が私のいる倉庫型SHOPの2Fにやってくるというのだ。

マジぃ、、これって本当の職場恋愛じゃんかー、ドキドキハラハラ・・ 恥ずかしい気持ちでいっぱい。
けれど、彼を手にした私の心の中には、ちょっとした優越感もあったことを認めざる得ない事実。
無事に引越しを終えた千葉店軍団。 そして、そこにはもちろん彼の姿も・・。
内階段となった作りがゆえ、否が応でも顔を合わせるのだ。 ・・恥ずかしさと嬉しさ。
とりあえず、彼の仲のよい1~2人にだけ耳打ちして、こっそりとした職場恋愛の開始。

 彼も赴任ということで、会社近くにアパートを借りて1人暮らしをしていた。
お互いが、いつも深夜0時を過ぎるような過労に過労を重ねていたため、いつからか私は
彼の部屋に同棲するような形になり、自分の家は荷物置き場と化していった。

冷蔵庫には、アルカリイオン水とビールに缶詰のつまみ、一度も使っていない炊飯器、、
立て掛けたサーフィンボード、、男の1人暮らしを絵に描いたような雑然とした部屋だった。

 もともと料理をすることが大好きな私は、包丁にまな板、その他道具を購入。
調味料と言えば、塩くらいしか無かったような彼の食生活を心配し、時間を割いて料理・・。
夜中に帰宅する私。けれど、それ以上に帰宅の遅い彼を想い、愛情込めて握ったおにぎり・・。
私達の交際を知る仲間数人が集まって、私の料理を囲んで飲み明かす休日前夜・・。 

決まって言われるセリフはこうだ!
「ほんっと、お前にはもったいないょ・・ こんな真面目で優しい人いないょ」 私への非難。
続いて、、
「なんで、○○を選んだんですか?どこが好きなんですかーぁ?」 彼への抗議。

顔を赤らめながら、そーっと私を見つめる、あの優しい眼差しがたまらなかった。


 しかし、ある日事態は起きた。
GW前の4月後半、あれは忘れたくても忘れられない・・・ そう、あの心臓の高鳴りを忘れない。

彼からの突然の告白。
 「実は、、、俺、彼女がいるんだ・・。」   ハァーーーーーーーーー?!
 「ずっと言おうと思ってたんだけど、言えなくて・・。ごめんね。」

おぃおぃ、ちょっと待ってょ。 彼女って・・・?
ほぼ彼の家に住み着いていた私、女っ気ゼロのこの部屋。 
女と会うような時間がないことくらい、同じ職業で職場も一緒の私は把握していた。

続けて彼は物静かに言った。
 「○○と付き合うようになってから、きちんと別れたいって思って・・。
  ま、付き合ってるというか遠距離でしばらく会ってないし、いないようなもんなんだけど・・」

 「で、どこの誰?」 落ち着いた理解ある女のふりをして精一杯平然を装った。

 「福島に旦那さんの転勤で引っ越しちゃったんだ、、年上の人(女)だよ」 優しく言った。

マジィーーーーーーーーー?! 不倫ーーー!! あり得ねぇぇぇーーーー!!

相手は子持ちの女、しかも、元クライアントのお客様。
そぅ、彼はリフォーム工事中に、客の人妻に手を出したのだった。 交際暦は5年だという。

音を立てて崩れていった、、「誠実で、優しくて、、、」 頭の中がぐるぐるぐるぐる・・。

ポカン・・・; と言葉を失った私に、続けて彼はこう言った。
 「GWに彼女が会いたいって連絡があって、、 その時にきっちり別れるつもりなんだ」
 「○○の存在のことはもう伝えてある。 ○○を大切にしたいから会って話がしたい」

私の存在を知った彼女は、号泣し別れたくないと毎日連絡してきているらしい・・。

彼は携帯を2つ持っていた。仕事柄、プライベート携帯がお客様専用となることも多々。
仕事用、プライベート用。 それに何も違和感を感じなかった。
けれど、実はプライベート用を使っている姿を見たことがなかった・・。

そぅ、この携帯が彼女専用回線だったのだ。

別れたくない・・とか、あんた人様の妻だろ、、 私の怒りの矛先は彼女に向いていた。
きっと彼は、いい人ゆえに別れたくても別れられない状況に苦しんでいるんだ・・。
正直に話してくれた彼の言葉に、私はGWを彼と彼女の時間として譲ることにした。

交際して初めての連休。 やりたいこと、行きたいとこ・・ 沢山沢山あった。

本当は、、とってもやきもち焼きな私・・・。 大丈夫だろうか? 嫉妬で胸が張り裂けそぅ・・。
それでも、必死で必死で我慢して、声を聴きたい、状況を知りたい、自分の気持ちに耐えた。

彼から言われた言葉を信じて・・。

 「大丈夫、○○を裏切るようなことは絶対にしないから。 愛してるよ・・。」
愛の詰まったCDを手渡され、狂ったように聞き、ソワソワする自分の身体、心。

今でも、あの時の、彼を彼女に預けた苦悩の数日間の言葉にならない気持ちを覚えている。
唯一、彼と私が親しかった仲間に泣きながら事を告げ、状況を説明した。
 「まさか、、嘘だろ・・。 彼そんな人だったなんて、、」
 「でもさ、彼は真面目だから真実をお前に伝えてくれたんだょ。信じて待てよ、大丈夫!」

仲間のその言葉と、自分の彼を信じたい気持ちを胸に、耐え抜いたGW。
「全力猛疾走」の生活をしてきた私にとって、GWは唯一の癒しの休日となるはずだった。

その間、一度だけ彼からメールがきた。。
 「愛している、○○・・」 
その後、電源は切られたまま、彼の部屋はシャッターで締められたままだった。

 ---- 彼はどんな人? ----  信じられない状況に困惑する私。


ついに、GWが終わった。

彼は連絡もないまま、平然と出勤してきた。
私は、眠れぬ夜をずっと過ごし、涙で膨れ上がった目蓋を眼鏡で隠して出勤。

聞きたいことは山程あった、、
 「どうなったの? 何を話したの? 彼女とは別れられた??」 疑問ばかりが脳裏をよぎる。

けれど、ちょうどその時期、彼と私は同じ物件を抱えていた。 というわけで、
日中は営業とICという形で何もなかったようにお客様との打ち合わせ、彼も私も平然と仕事。
隣に座っている彼が遠く遠く感じられたのが、その後の答えだったのだろうか・・。

その晩、彼から話がしたい。 そう連絡が入った。
すぐに会って話をしたかった私、、深夜のコンビにの駐車場が涙で濡れた。

彼は無言だった・・。
無言には理由があるはず、、 けれど、私は辛くて悲しくて仕方なかった気持ちに我慢できず、
彼に抱きついて、ワンワン子供のように泣いた。

落ち着いた私を待って、彼はこう告げた・・。
 「○○、心配させてごめんね。 もう心配いらないから・・」 私は更に泣いた、泣いて泣いた。


しかし、その言葉は嘘だった・・。

嘘どころか、私を裏切り、あざ笑うかのように過ごしたGWの真実が明らかとなるのであった。
ふぅたmama
これまでの道・・/心の棚卸
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thema:生き方 - genre:ライフ


これまでの道・・。 no.25
それからというもの、、 「全力疾走」 or 「停止」 その2文字しか見当たらない生活の始まり。

 24時間という1日の時間を 比率で表すとこんな感じ。
 「全力疾走:停止=20:4」  ----- 全力疾走は仕事。 停止は睡眠だ。

 新たな店舗といって連れていかれたのはだだっ広い運送会社の跡地。
何百坪もの面積を誇るこの無の空間が、わずか2ヶ月後にはNEWSHOPとしてOPEN・・。
 「ぇええっ、まだ何にもないんですけどぉ・・」 不安を隠しきれない私に社長は言った。
 「そぅ、これから作るんだよ、、何とかなるだろう!」 ははははは

SHOPは、アウトレット設備・建材 と 自然素材を融合させる新しい感覚がテーマ。

 異動とはいうものの、千葉店から車で10分足らず。 あらあら・・
ということで、数十件もの抱えていた物件をそのまま続行しながら、新プロジェクトに参戦。
行ったり、来たり、、、 現場打ち合わせが終われば、脳を完全にチェンジせねばならない。

だだっ広い倉庫での作業は、ゼロから始まった。

 材料をトラックで買いに行き、手で下ろし、塗装をし、組み立てるところからょ。
外観から事務所、倉庫レイアウトの全てが作業と同時にプランニング進行中・・。
 おぃおぃ、何にも決まってなかったのかょ・・・。

 まず、初めに設置されたのは便器。これは大事でしょう・・ それまでは野しょんですょ(笑)
と言っても、壁が無い! その辺にある材料を必死で手で押さえながら、、
 「今、トイレ使ってるからーぁ」 と叫ぶ。 「お前のなんか見ねぇよー」と返事。 でも、音は?
ついで、大工さんにとりあえず机を作ってもらい、汚ったない床にダンボールを敷きPC設置。
電気は工事用のライト、仕切りのない大空間ゆえの暑さ、もちろんエアコンも無い。
そんなところが私の新たなプランニング場所であり、常にゴンゴンガンガン騒音あり。
 あとは想像にお任せします・・。笑

まーまー、それはそれは、突貫工事と一言では決して片付けられぬ大惨事ばかりだ!!

 その少し前、私は住みかを新たな場所へと移していた。 そう、この家。この部屋・・。
千葉店と倉庫のちょうど真ん中あたり、何か察していたかのような好都合の場。
 しかし、近場ゆえに深夜、明け方に至るまでの作業は、その後OPEN前日まで続く。

プライベートではあまりの価値観の違いにブサイクにさよならを告げ、仕事に賭けた私。
 「お前みたいな奴は、俺様クラスの男でないと手に負えないんだからょ・・」
 「いつでも戻ってこい、じゃーな」  ま、悔しさ貯金もある程度貯まったし、いいや。
全然悔いはなかったし、いつでも 「ふつう」 そう挑発された言葉に感謝していたくらいだ。

 そんな折、思いもよらない事態が起こった・・・・・。

そぅ、千葉店に赴任された救世主からの、、突然のKiss。

 今思えば、彼に好意は持っていたのは事実。 けれど、頼りになる誠実な上司・・。
そして、がむしゃらに働き、がさつな私にゆっくりとした物言いで注意をしてくれる相談役・・。
 赴任当時から彼には、仕事における喜怒哀楽を全て現し、下品な姿も知っている。
「ジーパンはいてるICなんて見たことないし、だいたい裸足はないよね・・」
「そんなにガッついて飯食ってるIC見たこと無いし、ほんっと笑えるょ」 といった具合。
 彼が私に好意を抱いているなんて、これっぽっちも思ったことはなかった。
しかし、全力疾走と停止の狭間で 「癒し」 を 求めていたのだろう・・。 心は揺れ動いた。

 んーー、この恋をしてしまっていいのだろうか。 しばらく妄想にかられた私。

 当時、彼を慕う女性社員は多かった。千葉店にも彼を好きな社員もいた。
私のような男っ気の多い奴は、彼にはふさわしくないんじゃないか・・、皆に恨まれそう・・。
 貴重な「停止」時間のうちの大半は、その課題でいっぱいだった。
けれども、次第にその意識は恋へと変わった。 もう、戻れない・・。 始まってしまった。

 「全力疾走+社内恋愛」+「停止」 私の生活は徐々に変わっていった。

 彼は深夜まで働く私を心配し、差し入れをしてくれたり、1人ぼっちで明け方まで
倉庫でプランニングする側で、心配だから・・そう言って付き合ってくれたこともあった。

 ----- こうして、禁断の交際は始まった。 -----

この時はまだ、彼の心の奥底に宿る暗闇など 知る予知もなかった・・・。
そして、この交際が 私を地獄へと誘っていくことになるなんて・・。 想像出来なかった、1%も。


ただ、ひたすら 「誠実な人」・・  やっと、普通の幸せを手に入れたのだと実感していた。
そう、ただただ 「部下思いで、お客様思いの優しい人」 それしか思い当たる言葉はなかった。


 しかし、、、、、                                     続く。
ふぅたmama
これまでの道・・/心の棚卸
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thema:生き方 - genre:ライフ


「相田みつを」 書より。
書家であり、詩人であり、宗教家であり、、アーティストである、心の師。

「相田みつを」さんの書には、
人間の強さだけでなく、弱さをもそのままでいいんだょ、と 見つめる視線が多い。

今まで、どれだけ励まされ、救われてきたことだろう。


 ---- どんな人になりたいですか? ----

 もし、そんな問いを投げかけられたら、、 きっと私はこう伝えるだろう。
 感謝の気持ちをもち、今を、これからを、生きていきたい。

 おてんとうさまの・・

 師の書は、自分の心の状態によって、同じ書でも全く別モノとして感じられる。
 だからこそ、そこに人生の学びを感じとれるのかもしれない・・。

 私は、辛いとき、苦しいとき、死んでしまいたいとさえ思ったとき・・ 
 師の書を眺めては、自分の心に問いかけた。
 
 墨の濃淡、字のかすれ具合、大きさ、形、、  
 1つの文字に込められた師の気持ちを感じながら・・。

  「心の棚卸し」シリーズを描くことで 興奮状態に舞い戻ってしまう「私の脳」。
 そんなココロをスーーッと浄化させてくれる師の書をなんだか今日は紹介したくて。

 「感謝して生きること、それ自体が幸せである」
 そう感じられる今の私になれた、心の師の書を・・。  まだまだ伝えたい書、沢山。 
ふぅたmama
伝えたい コト・モノ/ 気づき
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これまでの道・・。 no.24
そんなブサイクの叱咤激励の元、私は無我夢中で仕事を覚えていった。
そんな折、私の師であった店長が新たな部門を立ち上げるべく千葉店からいなくなった・・。

 次の店長は? 店長に抜擢されたのは、営業成績抜群の1つ下の当時の課長だった。
年下ながら妻子ある身で、スーツに身を包むキリっとした構えの若造想いのしっかり者。
きっと彼なら、この珍獣たちをどうにかまとめていけるだろう・・ そう私は期待を胸にした。
課長時代は仕事を共にし、色々教えてもらい、一緒に飲みに行く仲間の1人だった・・。

 しかし、縦社会の厳しい店長育成によって彼は次第にキャパを超える任務を指示される。
珍獣たちを取り締まり、売り上げ達成のために店長自ら数字を与えられる・・
きっと若かりし彼にはその責任が重圧へと変わっていったのだろう。 次第に人格までも・・。
 年上で経験豊かな人たちは次第に減り、入社して1日で退社していく人さえいた程だ。

徐々に仕事に慣れていった私には、次なる課題が頭に浮かんだ。

 それまでは、いかに素早く仕事の流れを掴み、図面を仕上げ、現場を仕上げることだった。
けれど、以前から抱いていた?の気持ちが、刻一刻と湧き上がってきたのだった。
 もっとお客様思いの提案型リフォームをしたい。 その気持ちに揺れ動く自分・・。
しかし、営業は・・・ というと、いかに迅速に現場を片付けるかに重点を置いていた。
一生懸命時間をかけて打ち合わせした仕様内容さえ、いざ現場へ行ってみると別世界、
営業がやりやすい、扱いやすい、お客様を無視した施工へと変えられることさえあった。

 ?の気持ちを泣きながら口にしたミーティング・・・。
「どうしてこの店は、こんなにめちゃくちゃなの? もっとお客様の気持ちを大切にしたい・・」
「わずか数万円の工事だって、お客様にとっては一生一度の機会かもしれない・・」
「金額の大小で、足元を見るような営業は止めてほしい・・」 気持ちが溢れて止まらない私。

そんな私をあざ笑うかのように過ぎていった千葉店での時間・・・。

 そんな千葉店の現場状態は更に悪化していく中、業界のカリスマと称えられる当時社長の
衝撃的な一言である日一変した。 全店合同会議での「塩化ビニルクロス(壁紙)の禁止」発言。
 前触れもなく、ある日突然、自然派リフォームへの変化が訪れたのだった・・・。

 まだまだ覚えきらないことだらけな毎日なのに大丈夫だろうか・・?
当時はいかに安くリフォームをするかがお客様の要望の第1で、健康?自然派?という感じ。
 今まで当然のように使用してきた壁紙を、倍近い値段のエコクロスへと勧める。
けれど、私に戸惑いはなかった。 というより、この方が私には向いているかもしれない・・。

 しかーーーし、事態は更に悪化。

 突然の会社方針の一変に理解を得ない珍獣たちの退社、生き残った者の戸惑い・・。
けれど、私はやっとICが必要とされる時代がやってきたのだ!複雑な千葉店事情の中にも、
開拓精神豊富な私は、新たな喜びを見出していったのであった。

 そんな喜びも束の間、、 店長はじめ珍獣たちにとって私は更に邪魔な存在に・・。
それはそうだろう、ICが加わり提案をすることによって工事内容はより複雑にデザイン化される。
営業にとっては、発注、職人手配、現場管理、完工に至るまでの工程が一気に複雑化・・。
 ようは、私が?の気持ちを抱くことで、工事は「面倒くさい」こととなっていくのだ。

 店長就任当初は、そんな私の気持ちを肯定的に受け止めてくれた彼だったが、
次第に私は彼にとって、「目の上のたんこぶ」であり、厄介な存在へと変わっていったのだ。

 そんな私の問題の前に、彼にとっては年上ばかりの個性豊かな珍獣集団の解決が先!
しかし、珍獣たちは彼の期待に反した個々の満足ばかりを追い求め暴走していく・・。
ついに、千葉店はバラバラに・・。 私の心は現実を解決できないもどかしさでいっぱい。

 そんな千葉店に現れたのが、当時他店で優れた成績を納め、更に顧客満足No.1、
ようは、今までの?部分にあたる 「お客様思考の成功者」 が 救世主として赴任してきた。

 彼は主任と言う位置に抜擢され、それまでになかった千葉店のムードを一変させた。
いかにお客様を思い、きちんと対処し、工事を納めていくか・・ 日々彼の経験を学ぶ。
 そして、落ち着いた物言いの彼が珍獣に麻酔銃を打ち込み、店の雰囲気が変わった。
私はそれまで見たことのない営業スタイルに目からウロコ・・・。 心から彼を尊敬した。
 それは私のみならず珍獣たちにも、新人たちにも皆伝わっていき、 いつしか彼は
千葉店のよき相談役であり、よき上司であり、お客様を満足させる仕事の見本になっていく。

私の仕事にも、ついに 「春」 が きた! ----- そう心から思った。

「こうした方がもっと使いやすいかもしれない・・」
「これを使った方がより安全になるのでは?」
「ちょっと面倒だけど、ここにこれを使ったほうが・・」  それまでの?を受け止めてくれた。

誰もが口を揃えて言う言葉、、、 「彼は誠実で、お客様思いの優しい上司」

 きっと100人に聞けば、100% そう答えるに違いない・・ 皆、そう思った。
次第に、私も彼に相談し、弱音を見せ、今までの気持ちを話しこれからの期待をぶつけた。

 そんな彼の加わった新生千葉店は、営業成績はまだまだであったが、ムードは一変。
残業が終われば、彼を率いて深夜に、居酒屋、ラーメン屋、、 朝まで語り合うことも多々。
仕事に対する情熱を皆に話していくうちに、珍獣たちは徐々にまとまっていった。
 目に見えて変化する千葉店の姿が、私には嬉しくて仕方なかった。

しかし、、、、そんな折、店長がある営業に口にした言葉。 それは?

 「私が邪魔だ!」 そうハッキリとそう告げたのだった。
それまで、なにくそー(怒)!とは思っても、きっと重圧によって人格が変わっただけ、
きっといつか昔のような飲み仲間に戻れる日がくるはず・・ そう歯を食いしばっていた。
 なのに、、、 怒りを通り越した、何とも言えない悲しさで涙が溢れて止まらない。

「絶対に辞めない!」 そう誓ったあの日を胸に全速力で頑張った私だったが、ついに・・・。

 営業から連絡が入った翌日、 「辞めてやる!」 そう店長に言った。
思い立ったら・・ そんな押さえ殺してきた自分の気持ちが爆発した瞬間だった。
 きっと、店長は私がいなくなった方が仕事がずっと楽になる、そう思ったに違いない。
私もいっそ、明日にでも辞めてやる!その気持ちを押し通した。
 が、しかし、突然の私の辞表宣言に本社からお偉いさんが登場! 
「まぁまぁ、そうカッとならないでさ。 ぶっちゃけ、お前に辞められたら困るしな」などとフォロー。
 居酒屋での店長、私、お偉いさんの三人でのゴタゴタが過ぎていく・・。
結局、一度口にしたら止められない私の根勝ちとでも言うのだろうか・・、退社が決定。

 悔しさで溢れながら眠れぬ夜を過ごしたあの日・・。 

翌日、思わぬ電話がかかってきた。 それはグループ会社の社長でだった。
 「お前辞めるんだって? 千葉に新店舗を出すからそこに来い!」
はぁ、、、行きたいけど、グループ会社ってことはまた彼らと顔を合わすなんて・・・。葛藤。
 しかし、社長の次の言葉で私は動いた。
「今まで、出来なかったことやりたいこと思う存分やれ、お前の好きなように!」
「明日の責任者会議で、俺から上層部に異動という形で処理してやるから、安心しろ」

力強い社長の言葉に、さっきまでの悔し涙に嬉し涙が加わり、もう目は明けられない状態。
パンパンに膨らんだ目は、熱をもち、運転さえ出来なかったあのまぶたの重みを忘れない。

そう、こうして私はグループ会社の新店舗に異動が決定、即日千葉店を去った。
ふぅたmama
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これまでの道・・。 no.23
そぅ、まさに、この「奇跡」 が 私の運命を変えたと言っても過言ではない。
そして、、 人生に来るたった3度のチャンスを自分の手で掴み取ったのだ! そう確信した。

しかしながら、待望を胸にいざ人生の再起をかけた初出勤の記憶は全く無い。

 その後、元同僚からしばらくして言われた言葉は、恥を忍んで言えばこんな感じ。
「初出勤ですっぴん、片手にパンをかじりながら持って現れる人なんてそうそういないっすょね・・」
「で、颯爽とベンツでふかしタバコだもん、どんな人かと思いましたょ・・」 
 ぇぇえーー、マジで! 我が身ながら、そりゃまたビックリだ!笑

 しかし、初日の仕事だけは覚えている、しっかりと。
「じゃ、まずCAD(図面を描くソフト)の使い方を教えるのでここ座って」
 用意されていた私のデスクに腰をかけ、ぇえーっと・・・PCを前に私は ???・・・ポカン:
「あのーぉ、、、電源ってどこですか?」
「大丈夫?この人! 電源も分からないの?」 と 周りと一緒になって私も大笑い。(恥)

「あのーぉ、昔はワード、エクセルも結構使えたんだけどなぁ・・ 忘れちゃった!」
そぅ、PCなんて新卒で派遣された、大手ゼネコン以来ょ、これっぽっちも覚えちゃいない。
 アナログ世界にどっぷり浸かっていた私、そこはデジタルとは無縁の世界。
デジタルと言えば、携帯メール、キャッシャー(レジ会計)、電卓、カーナビ・・ くらいだろうか?

 私の初業務は、自分の部屋の間取りを採寸し、それをCADにて「図面」に作成することだった。
間取り? 久々のワードだ!  --- しかし、、 あれぇ? どうやって採寸??
 たった1DKの間取りも当時は図面に出来なかった私。
「まず基本は、910mmを半間として、それをベースに手描きでいいから採寸して」 との指示。
「半間? なんじゃそりゃ・・。 ちょっとぉー、わかんないよー!」 そんなやり取り。

しばらく使ってなかった「脳」の記憶装置をフル回転させ必死でメモを取った記憶多々。

 そもそも何故、この千葉店でコーディネーター(以下IC)が採用されることになったかと言うと、
当時、ICだった男性が営業に異動したいとのことで、新ICを募集していたところに私が入社。
10数店舗ある他全て、「IC=女性」だった。 まだまだ若い彼には居心地が悪かったのだろう。
 というわけで、しばらくはその年下の彼が私の上司であり、付き人に任命された。
彼曰く、「電源もわかんない人が入ってくるとは思わなかったょ・・。」 だって。 ははは・・

 千葉店は、営業は店長含め7~8名に、IC、事務 と いったこじんまりした事務所だった。
が、しかしメンバーは最強。 びっくりするほどに個性豊か・・と言えばかなりの誇張だろう。
まーまー、それはそれは・・。 珍獣ばかりの動物園といった具合がベストかしら・・。
 しかし、若手のやり手店長の厳しくもユーモアある、その勤務姿勢にビッとまとまる一面も。
私も徐々にその中に打ち解けていった。 きっと珍獣の1匹として・・。

 年下の上司が営業に異動するわずか数週間で、CADをマスターせねばならない・・。
焦りの中にも、「分からないモノ」 を 発見し、それを打破することが楽しくて仕方なかった。

ふと気づけば、PCの電源も当たり前のようにピっと押して、コーヒー片手に一服・・。

 PCの使い方、CAD作成、現場での採寸、打ち合わせ、図面作成、更に研修・・ etc
毎日が分からないことだらけで四苦八苦。けれど、そんな目まぐるしい日々が新鮮だった。

 特に私を魅了したのは「現場」だった。 ついに、、、憧れの「現場」に辿りついた。
リフォームというと、before → after 。 けれども、afterに至るまでのプロセスが最重要。
 はじめまして、と挨拶をかわしたと思えば、採寸し、その場で手描き図面を描きおこし、
お客様の一語一句聞き漏らさぬよう要望をメモし、更に、こちらからご提案しイメージを伝える。

 今では、自然派リフォームNo.1と言われ、プランニングに重点をおく素晴らしい会社だが、
当時は 「行け!やれ!取れ!」 的な男くさい会社であったため、その場で契約することが
最も優れた営業マンの証のようなものだった。そして、赤字で契約金額がボードに記載される。
 そうして契約に至った物件は、後から取って付けたかのように仕様が決められ、図面化。
契約を急ぐ分だけ、後になって待ってましたとばかりに、しわ寄せがやってくることも多々。
クレームなんて日常茶飯事、とにかく「売り上げ!売り上げ!売り上げ!」だった。

 心の中には?という気持ちを抱きながらも、当時の私は毎日がそれでも懸命だった。
それに、もし?を口にしても、それを打ち消すだけのことは何一つ出来なかっただろう。
 けれども、いざ工事が始まって見ると、好奇心旺盛の私はお客様より興奮状態。

 目の前で、天井、壁、床が見る見るうちに壊され、明かりが満ちていく室内・・。
 暗くて、狭い空間が1つになり広がる新空間・・。 と 目をキラキラさせると一変、、、
床の下からシロアリがごっそり・・ 壁の中はカビで真っ黒・・ なんてこともしょっちゅう。

 けれど、そうしたリアルな現場に足を運ぶたび、もっともっと知りたい気持ちが膨らんだ。
そして、私のような未熟者には全てが勉強だと思い、とにかく何でもやった。
 残材と呼ばれる、廃材や古いキッチンなどの設備機器、汚れた便器なども何のその、
団地の狭い階段を何十往復もして残材をトラックに積み、汗まみれになって掃除したり・・。
 ある時は、車の助手席に「使用済み便器」を乗せ、信号待ちの人に笑われたことも。

 けれど、汗水垂らしながら必死に片付け、掃除をし、職人さんたちに紛れ込んで
日本昔ばなしにでも出てきそうな、てんこ盛りの飯がついた定食を食べるのが最高だった。

 そんな私を会社の上司はあざ笑った。
インテリアコーディネーターならぬ、「工事姉ちゃん」 だと・・。 
 「お前みたいにICが現場に行くと会社が安く見られるから辞めろ」と言われたことも。
けれど、私の行動は止まらなかった。  現場、現場、現場・・・
他店のICは絶対そんなことはしない!と言ったが、これが、私に出来る仕事の1つ・・。

根底には、実績もない未経験の私をこうして雇ってくれた・・・ その気持ちしかなかった。

 だって、今まで全てにおいて中途半端だった自分自身の再起なる挑戦だったのだから。
これくらいへっちゃっらさ・・ そう笑い飛ばして、仕事に全てをかけたあの頃の日々・・。
 仕事に慣れていくに連れ、物件数も増え、抱える仕事量も増えていった。
月の休みは4日程度、朝から深夜まで働き、休日出勤ならぬ休日現場だって多々あった。

 「ちょっとぉーー、今日もこんなに頑張ったよ、大変だったょーー」 と クタクタになって帰宅する
私に、ブサイクなドンは平然と私にこう言った。  「・・・・・はっ? ふつう」   カッチーン(怒)
 けれど、奴の何があっても褒めないその姿勢に、私は悔しさの中でこの野郎いつか・・
と、自分の向上心を見出していったのだと今更ながら思うのであった。
 もし、あの時・・・ 「大変でしょう?辞めたら?」 なぁんて心配する人だったら今はない!
こればっかりは、ブサイクに感謝している素直な気持ちであります。笑
ふぅたmama
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これまでの道・・。 no.22
2週間という期間は長いようで、あっという間に過ぎていった。
心の中はカレンダーに赤丸をつけるような気持ちでカウントダウンをする日々。

もちろん、その間も昼夜働いていた私、広告を見る時間もなければ、面接日時も限られる。
どれもこれも、実務経験が必要とやら私には面接まで漕ぎつけるだけのものがなかった。

そんなある日、新聞の折込に1枚の求人紙を手にした。

 「某リフォーム会社の事務員募集」だった。 ぇえっと、勤務地は江戸川かぁ。
リフォーム会社の事務なら働きながら勉強できるかもしれない・・ そう考えた私。
迷わずに電話をかけた。
 すると、、「事務の募集ですか?」と聞かれた。 「あっ、はい・・ 他にもあるんですか?」と私。
「はい、一応募集として広告には出してないんですけど、千葉店の方でコーディネーターを・・」
 私は耳を疑った・・。 「え?千葉ですか??コーディネーターって未経験でも大丈夫ですか?」

心臓が高鳴った。 もしかしたら、神様がくれた最後のチャンスかもしれない。

 「詳しくは千葉店の番号をお教えしますんで、そちらで聞いてください」 ガチャ。
心を落ち着かせて電話。
 「あの、そちらでコーディネーターの募集をしているというのですが本当ですか?」
 「はい、してますよ! 面接に来ますか?」  淡々と話す口ぶり、高鳴る鼓動・・。
 「はい、未経験でも大丈夫ですか? やる気だけはあるんです!」 精一杯伝えた。

それから数日後、すぐに面接が行われた。 場所は家から車で10分ほどの絶好の場。

 私は居酒屋ランチの片付けが終わり、夜の準備をするための間の2時間を面接に充てた。
その結果が、すっぴんにジーパンにTシャツ、サンダルの私だった。(恥;)
 そして、久々のドキドキした心を抑えながら扉を開けた・・。
そこには、予想に反した若い男たちがビシっとスーツに身を包み、颯爽と仕事をしていた。
あれ?ここホスト? これが第一印象。 まぁ、そんな話は置いておいて・・・と。

 店長らしいスーツがやってきて面接を始めた・・。
内容は忘れたが、すっぴんにジーパンの私を見て、「ずいぶんラフだねぇー」とニコリ。
私はその瞬間、堕ちた・・・ ゴーーンと鐘の音が聞こえたような気がした。
 しかし、店長は 「いいねぇー、こうゆうスタイルで面接に来る人いなかったから・・」 と。
店長は、私の緊張をそんな会話でほぐしてくれた。 「さっきまで仕事だったんで・・」 と私。
「今、何してんの?」と日常会話が始まった。「居酒屋のランチの後片付けしてきました」
 馬鹿正直になっている私がそこにはいた。

そんなこんなで、面接動機なども素直な気持ちで伝えた。もちろん未経験だということも。

 奇跡は起きた!

「じゃ、いつから来れる?」と店長の声。 
「それって、合格ってことですかぁ??」 疑う私に店長は重ねて言った。
「本当は何人も来てるから後にしようと思ったけど、今決めちゃうよ・・。」 そんなんでok?!
不思議な気持ちでいっぱいだったが、嬉しさで満ち溢れた私に迷いはなかった。

 ヨッシャーーーー!! ガッツポーズというのを人目構わずしたのは初めてだった。

 よし、人生のリセットだ。 私は両親に電話した。
そして、ママたちの元へと急いだ。 今までの感謝の気持ちと意気込みを伝えた。
「頑張ってね、、」 そう言ってくれた、瞳の奥底にある言葉の意味を理解し、夜の世界を去った。
ふぅたmama
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これまでの道・・。 no.21
ドンと別れた私は、久々の自由を手にした。 何の責任もない自由・・。
しかし、ドンを心配する癖が抜けぬままの私は、どこか空虚な気持ちを感じてもいた。

けれど、、「もう男を育てるような、耐える女は辞めよう」 そう自分なりに決意した。
そして、もし、次に付き合うならば 私が私らしく思うように無邪気でいられる人がいい・・。

そんな折、またまた出遭ってしまった。 ドンを遥かに上回る最強のドンに!笑


 最強のドンとの出逢いも夜の店だった。
だからと言って指名をしてくれような常連客でもなければ、飲んべぇでもなかった。
たまたま、店NO.1の女が、「同級生が来るから一緒に席ついてょー、面白いからさー」
そう言って、私が同席することになったのがきっかけだった。
 ・・・この女の友人なんて、一体どんな奴なんだろう? とんでもない奴??

 しかし、そこに現れたのは ぶっさいく極まりないジャージ姿のデカイ男だった。
「なんだょ、、どうしたの? 超ーぶさいくじゃん!大丈夫?」 これが初対面の私の言葉。
特別、恋をしたいとかそんな気持ちまるっきりなかった私は好きなことを言いたいだけ言った。

 そのドンときたら、ぶっさいくのくせにやたらと態度がデカイ! 
若造を何人も引き連れ、「お前ら好きなだけ飲めよ、、金なんかいくらでもある」とか何とか。
「マジかよ、、こいつ。マジうざいんですけど・・。」  ----- ドンに対する第一印象。

 けれど、私のめちゃくちゃなケナシを物ともせずに 「お前面白れぇなぁー」 と 返す。
こっちだって負けてられない。 有頂天なこのブサイクを叩きのめしてやる!といった具合。

 「ぶさいく」 「お前」 と言った、なんとも妙な会話が続いた。
「殺されますよ、この人こう見えても凄いんですから・・」 若造たちが私の顔色を覗き込む。
 しかし、私は 「はぃはぃ、分かりました。別に!」 と 何とも思わなかった。

ドンと付き合うようになったのは数ヶ月が経ってから。

 私は、度胸の据わったおっきな男を捜していた。そんな矢先・・、ドンから花火に誘われた。
「お前みたいなブサイクと花見を見るつもりはない」 と 断ると、なんとこう言い返してきた。
「馬鹿だなぁ、俺様みたいな男と花火を見れるなんてお前はラッキーだぞ!」

ハッキリ思い出せないが、そんなやり取りをしながら結局花火のお供をすることになった。

 どう見ても車が通れない極細道を、こっちの方が近道だ!と言って強引に車を走らせた。
サイドミラーがぐでんぐでんに折れ曲がるゎ、ドアはべこべこ・・・。 大丈夫ぅ?心が思った。
「馬鹿野郎、お前花火好きなんだろー、だったらこれくらい何てことねぇょ」 マジかょ?!

今までの人生で数知れず男性を見てきたが、ここまで強引でやんちゃな男はいなかった。

 子供のようにわがままでいられる、でっかい器の男・・・ を探していた私はピンときた。
こいつ、、、なかなかやるじゃんか! しかし、こんなブサイクと付き合うつもりは更々なかった。

 けれど、奴の猛プッシュに負け、交際を始めた私・・。
いや、本音を言えば、初めてわがままに居られる相手を見つけたのだと感じていたのかも。

 奴は、なかなかのやり手だった。 
若いくせに小規模ながら建設会社を経営し、雀荘、飲み屋、金貸し・・etc 裏の顔も持つ。

 あまり深入りしたくない気持ちが心に根付いていた私は、わがまま女を演じた。
これ食べたい! これ買って! ここ連れてって! などなど一度は言って見たかったことを。
その度、「お前よー、ふざけんなよ。お前みたいなわがまま女は罰が当たるぞ!」
そう言われることが新鮮で、気持ちよかった。 やっと辿り着いた、この位置に・・と。

しかし、器のデカイ男というのは、縄張りも広く、行動も派手だった。

 奴との交際で知り合った人たちは、皆、大御所ばかりの顔ぶれだった。
夜の世界のドンと言われるママたち、、社長面々、裏の世界の人間等々・・がズラリ。
その度、何故?こいつがこのメンバーに? しかも1人だけジャージ?? 疑問だらけ。
けれど、「俺の女ッス!」と紹介されていくうちに、私もいつしかそこに同化していった・・。
 そして、それが当たり前になっていく日々、、 何の疑いもしなかった私。

交際から数ヶ月、奴の部屋から妙なモノを発見。 

 別の女との写真・・ 日付は最近、場所は沖縄。 あれ?あの日は確か・・?!
ある程度の覚悟を持って、こうなることくらい想定内だったが、悔しさでいっぱいな私だった。
「誰?この女?」問い詰める私に彼は言った、昔の彼女だと。。 嘘だろーが・・。
 男という生き物は何故、確信に触れるととぼけて話をごまかすのだろう・・。
まぁ、それから やんやんゴタゴタありすぎて具体的に覚えてないが、結局、彼女だった。

 結婚を約束していた彼女、、その前に沖縄にダイビングの資格を取りに行くという期間に
私と出逢ってしまったというわけ。 ようは、私は二股をかけれれてたってところ。 ははは・・。
「てめぇーよくも裏切ってくれたな、別れる!」 「別れるょ、あっちとは・・」と奴。
「結婚を約束した彼女が知ったら悲しむでしょ、だいたい知ってたら付き合わなかったょ・・」
 こんな時にも、自分よりも見たこともない彼女を想って自己嫌悪・・ 私って奴は・・。

けれど、本音を言えば、悔しさと憎しみの間に別れたくない気持ちがあったのは紛れもない事実。
今の女は私でしょ? 今にも泣きそうな気持ちに蓋をして、理解ある強い女のふりをした。

まー、よくある二股における騒動のやりとりがあった末の末、結局、私を選んだ彼。

 しかし、奴の質の悪さは二人の女にこれだけの悲痛を与えてもまだ収まらなかった。
その後、何人もの都合のいい女を抱え、一晩で何十万もの金を使い、闇の世界とコンタクト・・。
「別れよう」何度も心に誓った私。 けれど、平然と「お前怒ってんのぉー?」と部屋にくる。
「ってゆうかさ、お前ケツがでかいんだから、ドーーンと構えてろよ。」 だってさ。笑

ここまでくると、私もこいつを利用してやろう・・ 好きな気持ちに復讐心が加わった。

 それが、「悔しさ貯金」 と 名づけた私なりの小さな復讐法。
奴といる間は一銭もお金を出さない、言いたいことやりたいことを好きなだけ言ってやる!

 それからというもの、奴の周りにいる人とのコミュに重視し、顔を広げた私。
知り合いのママの元で働きながら、系列店の居酒屋のランチもお手伝い、なんでもした。
 全て働いた分のお金を貯金とし、決まっていつも 「金ないなぁー」と奴に言う。
「お前の一万円札はつちのこだなぁ・・」 なぁんて言われてもへちゃらだった私。
私の親にさえも 「こいつが金持ってるところ見たことないっすょ・・笑」 なぁんて会話も。

 そんな奴とのやりとりを通して得た新しい世界が、自然と不思議と楽しかった。
夜の街を歩けば「おはようがざいます」と誰からか、声をかけられるそんな心地良さも味わった。

 今思えば、私もそのころは「怖いものなし」だった、完全に麻痺した勘違い女だったのだ。
彼との生活で、大切な何かを履き違えてしまったかのようで、神様に申し訳ない気持ちだった。
高級車を乗り回し、奴の変わりに集金、人に金を貸すようなことまでしていた。

 けれど、田舎育ちの私はいつまでもそんなことに耐えられなかった。
汗水垂らして働く両親の姿、祖父母を思い出しては、自分を責め続けていた日々。

 そんな生活に終止符が打たれたのは、大御所のママの一言だった。
「新しい店を出すことにしたから任せたいんだけど・・。」 ぇぇえーー?? マジィ?
嬉しさと、純粋にどうしよう困った・・という気持ちの狭間で揺れていた私。
 「2週間後に返事ちょうだい!」 そう言って去ったママ。 2週間・・・?!

奴に相談すると、「お前なら大丈夫。やれよ、けつ持ってやっからょ!」 と いった具合。

 確かに、夜の世界は厳しくもあるが、ある程度を経験するとそこにやりがいを感じ、
人と人がつながっていると実感させられるような不思議な充実感があった。
 お酒がもともとそんなに得意でない私は、酔った勢いでどうこうすることもなかったし、
常に冷静な観点で人と話し、聞き、歌った。 でも、時としてそれがとても辛かった。
気持ちよく好きなお酒を飲むのは、友人たちとだけだった。あとは仕事と割り切って。

 そんな夜の世界に対する自分の辛さと責任が、一気に私にドサッとのせられた。
と同時に、、このままでいいのか?!私は! 向上するために出直したんじゃないのか??
何度も何度も何度も、、自問自答し、そして、最後の勝負に出た。

 この2週間で、もし、本当にやりたかった住宅に関する仕事の面接にこぎ着け、
未経験の私を採用してくれる会社があったら、話を断ろう! そして、ダメだったら・・・。

心に誓ったあの日を、私は忘れやしない。

 この話を断るということは、、 
信頼と期待を胸に、任せたい!そう言ってくれたママの言葉が重ーく圧し掛かった。
千葉の夜の世界に出禁となる覚悟をも持って、私は気持ちを素直にママたちに告げた。

 もちろん、快く思う人は誰一人いなかったし、非難をも浴びた。
「けれど、もし、会社に入れたら二度とこの道には戻ってこないようにね・・。」
そう言葉の裏に隠された応援を私はしっかり受け取り、必死で募集広告を探した・・・。
ふぅたmama
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これまでの道・・。 no.20
私たち人間の「脳」の神経システムとは実に厄介にできてると昨晩思い知らされた・・。

「現在と、鮮やかに描き出された想像や過去の像は区別できない」
すなわち、、 過去の記憶が目をつぶると鮮明に映し出されるのだ。
そして、過去に引き戻されそうなほどに・・・ 目をつぶると脳は興奮状態に・・。

そんなこんなで、早く私の「脳」に焼き付いた『過去の記憶』を解き放たねば!と描き急ぐ私。


 以前の彼に別れを告げた私は、住みかを千葉へと戻した。 1DKのボロアパート。
私自身の再スタートをかけた、自己反省のつもりで、即日契約した2Fの一室。
なんと家賃38.000円。 けれど、トイレ・バス別。風呂好きの私の唯一の要望も満たされた。

 ドンは私と出逢う以前、ある暴力団抗争において刑務所入り。
そして、数年前に自分で小さな建築関係の仕事を立ち上げた。

 私が出逢ったドンは、そんな人生再生へとゼロからスタートさせたばかりの働き者だった。
いつしか、私はお弁当を持たせ、頑張ってね!と送り出す、妻のような存在になっていた。
 しかし、自己コントロールが効かないドンは様々な争いごとを巻き起こした。
その度、心が苦しくなり、泣きながら、頑張ろうと励まし続けた私だった。

いつからだろう、妻→家政婦? と 感じるようになていく自分の寂しさを思い知らされた。

 余計なお節介ばばぁが、彼をわがままな少年へと戻してしまったのだろう。
外では酒を飲み、家に帰れば即寝、会話もままならぬまま月日は過ぎていった。
こんなはずじゃなかったのにぃ・・。 ドンの寝顔を見るたび、後悔の文字が浮かんだ。
それでも 「お前がいてくれるから頑張れる!」 そう言ってくれるドンの言葉に揺れていた。

 けれど、あんなにも愛してくれた元彼を蹴ってまで、選んだ人だもの・・頑張らなくちゃ。
何に頑張っていたのだろうか、、 忍耐が細胞にまで染み込んでいた私は耐えた。

 しかし、やはり長くは続かなかった。 そぅ、もう家政婦は嫌だ!別れを心に決めた・・。
そんな私を察したのか、ドンは生まれて初めて描いたという「手紙」を私に渡した。
 そこには、汚いひらがなばかりの文字で感謝の気持ちが綴られていた。
私は涙でいっぱいになった。 けれども、もう別れの決断を下した自分に嘘はつけなかった。

 「私、あなたに出会えて良かったょ。 おてんとうさまの下で頑張って働くんだよ・・。」
そして、自己嫌悪に潰されそうになりながら、彼を励まし必死で笑ってさよならを告げた。
もうやるべきことは十分にしてあげた・・ 後悔はない。 彼にもそれが伝わったのだろう。
「ありがとな・・、ごめんな。お前に甘えすぎた。幸せになってくれょ」 それが最後の言葉。 
ふぅたmama
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これまでの道・・。 no.19
憧れを胸に入社した某インテリアshop、そして、もっと向上したい気持ちから退社。

なのに何故?? またまた 戻って参りました・・。 って感じ。(苦;)

とにかく、今度はお金が必要だった。
ノルマは厳しいくせに、それに対する報酬がなかった生活を続けていたため、貯金も無し。
「とりあえず預金」を作ろう、そんな気持ちで舞い戻った夜の世界。
今まではパブ系だったが、ちょっと遊び心でキャバクラを覗いて見ることにした。

 ここで、出会ってしまったんだ、、ある人に。
そう、彼はいかにもっていう暴力団組織の人間。 おぃおぃ、ヤクザもんは出禁だろーが。
そんな彼には若いギャルは恐怖を感じ、ただ悶々と酒を作り、ちょこんと座るだけ。
ついに、ボーイに告げられた・・。 「○○ちゃん、あの席フォローしてやってょ」
「マジかょ、、嫌だょ。 怖そうじゃん、奴ら・・。」と拒む私。

仕方なく、「はじめまして」とドンに軽返事をして同席。  はぁー、しばしの我慢・・。

 しばらくして、若造がその席にやってきた。 すると私に言った。
「△△だろー?お前・・。俺、□□の友達」 ・・□□? 誰だっけ、そいつ。
「あっ、□□かーぁ、ってことはあんたも悪だねぇー」 (□□は専門時代の男友達。)
「ってゆうか、本名だすの止めてくんない?」とか何とかそーゆー会話だった気がする。

 「お前ら知り合いなのかょー!」 と ドンが言う。
 「いいぇ、知りません私は・・、会ったこともないし名前も知らない・・」
すると若造は・・
 「聞いてるょー、姉さんのことは噂で・・。」なんとも意味深発言。 やろー何いいやがった・・。
 「っていうかさ、あんたも同じ年で、私は姉さんじゃない!失礼な奴だわ」 と 返した。

若造はどうやら、ドンのところで働いているらしい。 するってーと? ドンは堅気?!
まぁ、どうでもいい。 早く店の終わりを待ちたい、そんな私だった。

 これがドンとの出逢い。

ドンは週に2~3日店に来ていた。その度に、「よっ!」と軽々しく返事をかけてきてはおちょくった。
「マジ、勘弁して下さいょー」 そんな感じ。

 そんな折、新規店舗が出来るという話で大人系キャバへと移動することになった私。
やれやれ、質の悪い客ともこれでおさらばだ、せいせいするゎ・・。 開放された感じ。
重低音ガンガンのコスチュームに身を包む店は、やっぱり私には向かなかった。
新店は、落ち着きのあるクラブを思わせるブラックライトが程よい暗さの品のいい構えだった。

 開店から数週間後、ドンが来た。 マジかよぉーー、お前はここにふさわしくないっての!
そしたら、いきなりボーイが私に耳を疑う発声をした・・。
「○○ちゃん、指名入りましたぁー」 はぁ?私? まだ呼んだ客は来てないし・・ 誰?
そぅ、、、相手はドンだった。 私は「指名なんて無駄使いやめたほうがいんじゃん」と笑った。

 それからだ、落ち着いた店で話したドンは今までにない様子だった。
ギャルをバカにして酒を飲むのは飽きた・・。 とか言ってたような気がした。うる覚え。

 それまで、店の客に恋をするなんて一切なかった私。
けれど、私はドンの猛烈なアタックに負けた・・ というか、興味と母性がくすぐられた。
店で見せる傲慢な姿とは一変、ドンは親想いの案外いい奴だった。
そして、何かこの人を救ってあげたい、癒してあげたい・・・ 私の中のお節介ばばぁが出てきた。

 「私、彼氏いるし、店の客に身をゆだねるほど困ってないから」 何度も断った。
けれど、私の中の母性が言うことを利かない。 なんなんだ、この複雑な気持ちは・・。

 結局、ドンとの生活は波乱を絵に描いたような生活だと分かっていたのだが、
自分の気持ちに嘘がつけない私は、彼に別れを告げたのだった・・。

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・・ と 何度も繰り返し言った。

 泣きすがり、私の手を引く彼を思うと今でも胸が苦しくなる。
あまりにいい人すぎて、何だか申し訳ない気持ちがいっぱいで溢れ出して言葉になった。
それが、「さよなら」 だった。 私も泣いた、何故?でも、、もう決めたから。
最悪な女ってこういうやつのことでしょ、、わたしってこんなんだった。

 その後、彼が仕事にも行けず、一時危ない状態だったことを知らされた。
私は人の人生を取り返しのつかない状況にしてしまうところだった。 けれど・・・
もう始まってしまっていた、ドンに対する母性が暴走して止まらない私がいた。


ふぅたmama
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これまでの道・・。 no.18
インテリアshopでの勤務は、厳しくもあり、しかしその厳しさが心地よかったのも事実。

しかし、好奇心旺盛の私はここでまた ある欲が出てきてしまったのだ・・。
まったく、本当に私ときたら・・。 自分でも手に負えない・・というか、何と言うか。

 ある程度のノウハウは把握したつもりでいたが、1つだけ手に負えないことがあった。
それは・・・。 「間取り図」を持ってきたお客様に対する接客がいまいち。
建築素人の私には、おおよその見当はつくものの、実際にスケールをあてがって
このくらいの広さですね・・ と お客様と一緒になってサイズを確認していた。

 しかし、図面の見方を知っているベテラン販売員はモノの見事に一発でやってのける。
んーー、悔しい。 私も図面を見れるようになりたい。 そうして、もっといい接客をしたい!

 仲間の1人が独学で学んだ図面の読み方を教えて欲しいとお願いした。
けれど、、ん? 頭の中は??? ポカン・・。 私ってバカ? そんな日々に葛藤。
 しかしながら、お客様にいただいた図面のコピーを見ながら、アパートの寸法と比較し、
これくらいか、、ぇえーっと、、 という具合に私なりの方法を考え実践した。
 最初はおどおどしながら見ていた図面も、広告のマンションの間取りなどを見るのが癖に
なっていった私は、徐々に図面をある程度読み取れ、そして、そこに家具を配置できるまでに。

 そうなると接客が面白いように進んだ。
「図面はお持ちですか?」 と 当たり前のように尋ね、「そうですね、、この広さですと・・」
今までない空間提案が始まった。 私はこの職業に就けたことに感謝した。

 すると、売り上げも比例して伸びていった。

しかし、腑に落ちないのが、家族構成や間取り、家具から小物まで全てをコーディネートして
いざ購入となると、、はい終了!チン。 と言った具合。
 気の利くお客様はその後、お礼のハガキや写真を送ってくれたものの、
心の中では・・  「あの家具たちはどうしてるんだろう? その後は?」 またお節介が登場。

 「別に売れればいいんだよ、関係ないじゃん!」 そういう人たちの気がしれない。
私は、その後が気になって気になって仕方なかった。 売り上げなんかどうでもよかった。

 そんな自分の気持ちに嘘がつけなくなった私は、またまた退職。
次の当てがあったわけでは全くない、けれど、もう少しお客様に近づける職に就きたかった。
ただそれだけの気持ちで、某インテリアshopに 「さよなら」 を 告げたのだ。

ほんと、私って計画性ないでしょ・・笑 

次を探すまで、、、そんな気持ちでまた舞い戻った、夜の世界・・・。

しかし、ちょっとのつもりが、ここは長かった。
そして、私を大事にしてくれた彼に別れを告げ、獣道へ暴走していく愚かな私の物語が始まる。
ふぅたmama
これまでの道・・/心の棚卸
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これまでの道・・。 no.17
夢にまで見たインテリアshopでのスタッフ・・。 素敵な家具がズラリ勢揃い・・。
そんな家具たちに負けぬスタッフの顔ぶれ。 オシャレで洗練された様子は憧れの世界だった。

しかし、整然としたオシャレな外見と裏腹に、実務はノルマノルマの厳しい世界だった。

 まず、朝礼。 「おはようございます!」 まるで自衛隊員のようなビッとした挨拶から始まる。
ついで、各フロアー別に本日の目標売り上げの発表。 これがまた凄いのなんの。
全て、頭に数字を焼き付けて天を見上げるかのような姿勢で、次々と発表していくのだ。
それから、その月の売り上げに対する進捗率(どのくらい達成しているか)を述べる。
「何千何百何十何万・・・・・に対しまして、何百何十何万・・・で ○○%の進捗率です!」

うぉぉーーー!何じゃこりゃ・・。 目が点とはこういうことね、私は固まった。

 そして、朝礼が終わると各フロアーはじめ、食器1枚、ゴミ1つまで慎重な掃除が始まる。
1時間程度の事前準備が終わり、やっと開店。 店舗内にはヒーリングソングが流れ、
それまでの自衛隊員とは打って変わってスタッフに笑みが溢れ、お客様を招き入れる。

 さすが、と言わんばかりの体制にアッパレな私。
しかし、それが当たり前になっていくにはさほど時間もかからなかった。
数字を記憶するのは得意分野だったし、売り上げを上げるノルマも夜の世界で経験済み。
 はじめはソファ1つ売るにも、勝手が分からずジタバタしていた私だが、徐々に慣れ、
そして、1点、2点、、、まとめ買い。 高額商品のローンなどの説明もすんなりやってのけた。
そうなると、日々の売り上げを意識し始める。というか、嫌が用でもさせられるようになった。
売り上げノルマは拡大し、月額では何千万もの数字を任されるように。

 そんな数字を埋めるに打ってつけのお客様は、結婚を控えた新たなお二人。
しかし、実は当人同士よりも、その背後にいるご両親が決定権を握っているケースが多かった。
 週末になると、きまって家族揃って、ランチついでに下見に現れる。
ダイニングセット、キッチンキャビネット、ソファにリビングテーブルorサイドテーブル・・
TVボードにベッド、、、 一度で選べるわけもない。 数ヶ月に渡り、下見に現れる人も多い。
その都度、お客様の情報やささいな会話をメモして、購入への近道となる情報をDMを送る。
 ようは、いかに 「この人から買いたい」 と 思わせる下準備をするかが決めて。
全てコーディネートし、これで完了!次回買いに来るわと言って別のスタッフが売り上げを
横取りしてしまう現実も多々あった。 なので、私はその苦しみを糧に作戦を練っていった。

 それまで、家具という商品を販売するスタッフから、生活を聞きだし、余談から情報を得て、
いかに個々のお客様のライフスタイルに見合った内容を把握し、プレゼンテーションするのだ。
ソファで満足せずに、このソファーにはこんな大きさのラグがオススメで、そんなソファのある
素敵な部屋にはこんなカーテンが自然でしょう・・ という塩梅だ。
そして、余裕のある時には、食器などのコーナーにお連れし、小物から食器に至るまで
アドバイスをし、happyweddingの二人を新居に対する夢の世界へと誘っていったのである。
 ここまで来ると、赤の他人とは思えなくなるから不思議・・。
お節介な私は、家族関係までもを聞くよき相談員にまでなっていることもしょっちゅうだった。

 そんな入社して間もない、茶髪の小娘が数字を伸ばすのを快く思っていない人もいた。
服装も自由で、店にふさわしい名に恥じない格好で・・という感じだった。
スーツをそれらしいと感じる紳士もいれば、ブラウスにスカートという清楚なおばちゃまも。
 しかし、私はジーパンにTシャツ、頭はお団子。 なぜ、あんな子が?!
皮肉を言われたことも多々、そして、ついにはお前みたいな奴がなぜ売れる?とまで言われた。

チッキショー、くそ野郎たちめ! 怒りをその日の笑い話に変えて気の合う仲間と居酒屋へ。

 そんなshopスタッフ時代があってこそ、次なるステップへと歩むこととなるわけで、
今の“暮らしアドバイザー”としてフリーで働く私があるのもこうした経験がもとになっている。
ふぅたmama
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これまでの道・・。 no.16
あの恐怖は一体・・・。  悪夢にしては、しばらく私を脅かし続けていた・・・。

カーテンを開けて、周囲を見渡し、外に出ればキョロキョロ見渡し、誰かに尾行されていないか?
黒尽くめの高級車を見るたび、ナンバーを確認するような癖が抜けきらない私だった。

結局、彼には何も話さなかった。 というより、話せなかった。
「夢」を語り、一生懸命に働き疲れきって寝入った彼の寝顔が一番の癒しだった。

その後、無職と化した私は、心に罪悪感を感じながらも夜の仕事を続けていた。

 ストーカーの縄張りであるエリアから移動して、新たな店へと場所を移動させたわけだ。
100%夜の世界・・というのはこれが初めての経験だった。
 そうなると、、指名でなんぼのこの世界では悶々と働くわけにもいかなくなる。
容姿にも恵まれていない私は、等身大のスタイルでトークを主にキャラを確立させた。
そうと決まれば、口から生まれてきたような私にとっては水商売は容易い御用だった。

しかし、このままでいいのだろうか・・。
 何のために千葉にやってきたのだろうか・・? 専門まで行かせてもらったのに・・。

そんな自問自答がいつも私を責め立てた。その度、建築に携わる仕事がしたい!
という、本来の私の目的であった純粋な気持ちが増していった。 が、実績もない・・。

 そんな折、あるインテリア雑貨shopの新規オープニングスタッフの募集を目にした。
迷わず応募した。 これだ! 自給は800円~ 夜の仕事の1/3弱だった。
けれど、心にわだかまりは一切なかった。 すぐに面接に行き、即採用された。

 生活が一転した。 久々に太陽の陽を燦々と浴びながら出勤。
浮かれた私は「折りたたみチャリ」を購入し、鼻歌交じりで週5日程度のバイトへ向かう日課。

 「はじめまして・・。経験はありませんが好奇心なら人一倍あります、根性も・・。」
もともと部屋の模様替えが大好きだった私。 インテリア雑貨shopのスタッフが夢だった。
ついに、この世界に入門! 私は喜びで満ち溢れていた。

 日常雑貨から、ステーショナリー(文具)、テキスタイル(生地)、カトラリー(食器等)、
ポップからアジアンまで幅広く取り揃えるnewshop、そして、大好きな家具まで。
平台ディスプレイと呼ばれる、普通の台を、いかに立体的で人の目を惹くようなモノに仕上げるか。
そして、コーナーディスプレイやテーブルセッティング、ポップ作成(値札やコメント)も任された。
 あー可愛い!そう言って買ってくれるお客さんの笑顔が私を目覚めさせた。
そして、ご自宅用にもかかわらず・・余計なお世話だがラッピングなどしてサプライズしたり。笑

 しかし、1年くらい経ってからだろうか・・。 欲が出てきたのであった。
んー、今の雑貨shopも楽しいが、家具が少ない・・。もっとインテリアの方へ進みたい。
 思ったら即行動の私は、休みの日に面接へ行った。
そこは、北欧モダンと言えば・・・。という某インテリアshopだった。 まぁ、なんとも無茶な・・。
どうせ、一時面接で落ちるだろう・・ 気楽な気持ちが自信に見えたのか、その場で合格!

マジーーー?? この時ばかりは全身の血が逆流するほど嬉しかったのを覚えてる。

 「すいません・・。辞めさせて下さい。 あのーぉ、予想外にも合格してしまって・・」
そんな私に、社長は言った。 「頑張れよ、すげぇじゃんか。」って。 あれれれ・・。

そんなこんなで、私はついに念願のインテリアshopにて勤務することとなるのだ。
ふぅたmama
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これまでの道・・。 no.15
 そんな彼の優しさに、何故、あの時 答えてあげられなかったのだろうか・・。

好奇心旺盛の私には、何かこう物足りない・・というか、
刺激を受けに受けた恋愛偏ばかりで、平凡の生活に慣れていなかったせだろうか。

私ったら、こんなに幸せで罰が当たらないかなぁ・・ そんな疑問さえも感じていたくらい。

 彼との生活は、本当に充実していた。 彼と彼の父の関係を除いては・・。
当時の私は、そんな物足りなさを埋めるべく、ゼネコン会社で働きながら夜も働いていた。
特にお金に不自由していた訳でもなかったが、彼が帰宅するまでの時間潰しとして。
それから、本音を言えば・・ 刺激を求めて。

 けれど、彼は何の疑いもなく、私を夜の世界へと送り出してくれたのだ。
時に、彼がOFFの日は店の入り口まで送ってくれ、頑張ってね・・と言ってくれる程。

 一方、派遣先のゼネコン会社には、女性など事務員を除いてはほとんどいない現場。
富津まで時間とお金をかけて行くだけの元を取ろうと、私は日々、メッシー探しをしていた。
 (※メッシー=美味しいものをおごってくれる都合のいい人)

 そんな私の前に、ある日、現れたのは某建設会社の社長だった。
スッピンに、スパイラルヘアーの狼女がショムニのような制服を着ている。 まるでコスプレ。笑
そんな私に彼は食事の誘いをかけてきた。 マジぃ? 願ってもないチャンス。
いっただきまぁーす♪ 気分は上昇、これで富津に来た甲斐があったってもんよ。

 彼は、地位も名誉も、財産も持ち備えた40代で、奥さんと愛人数人を抱えていた。
私のような小娘がターゲットになる可能性はゼロ以下だ!そう思って気軽に誘いにのった。
仕事帰りにご飯をご馳走してくれる、別の会社の上司的存在とでもいった感じかなぁ。

彼との出会いによって、思いもよらない出来事がこの先待ち受けているなんて予知できなかった。

 半年が過ぎた頃から、彼(社長)の様子が異変していった・・。
仕事中の電話、メール。 「今晩どぉ?」 「いぇ、彼にご飯を作らないとなんで・・」
仕事が終わる時間に電話。 「終わった? 会いたい・・」 
私は、願ってもないチャンスと思っていたことを、丁重に断るまでに至っていた。 

 あれれれれ、、おかしい! 何故、私のような小娘に?? 

彼曰く、綺麗で知的でよくある女は見慣れたけれど、お前のような面白い奴はいない・・らしい。

 いやぁー、そう言われましても・・。 同棲中の身で、彼氏もいますんで・・。
次第に、脅迫紛いになっていく彼(社長)に、恐怖を感じていくようになっていった私。
 不安は的中・・・。
「今日は千葉のホテルに泊まるから一緒にレストランで食事しよう」
「今からすぐ出てくれないか、お前の上司には連絡しておく」

 困惑した私はまず自分の上司、それから派遣会社の営業に相談。
が、しかし・・。 彼(社長)は大手ゼネコンの社長。 まさか、、信じられない。
誰も本当だと信じてくれない。 彼は裏工作をして、平然を振る舞い続けた・・。
途方に暮れた私は、勇気を出して彼(社長)に告げた。 「もう連絡しないで下さい・・。」

 それからだった、悪夢のような日々が続いた・・。
鳴り止まぬ着信、メール、、休みの日には黒尽くめの高級車がアパート前に横付け。
恐怖と化した彼(社長)のアプローチは日々エスカレートしていった。

けれど、夜遅くまで働き、疲れきって寝ている彼には相談することも出来ずにいた。

 どうしよう、、怖いょ。。。 怖いょ。。  入社から半年余りで、ついに退職を決めた。
それを噂で聞いた彼は、私に愛人契約を求めた。 金はやる!俺の女になれ! と・・。
 ぉおーっと、キタキタキタ・・・。 ついに、この日が来てしまった。 
「無理です、だって私はあなたにふさわしくない、ただの小娘ですから・・」
迷惑そうに断る私に初めて見せた凶変した彼(社長)。 「言うこと聞けないのか?」

 それまで欲しいものは何もかも手に入れてきたと言う彼(社長)。 確かに・・。
けれど、断られた経験など一度もないがゆえに、苛立ちがピークに達したのだろう。
愛人や店のママのところにお前を連れていく、そして、全てを捨てると言い出した。
 何を言っているのか、、何故、私なんだ・・。 私は恐怖でしか覚えていない。

当時はまだストーカーという言葉は聞きなれない言葉だったが、明らかにその行為。

 私は、彼に友達の家にしばらく泊まるね・・そう言って、友人宅に身を隠した。
鳴り止まない携帯の電源を切り、マンションの一角で1週間ほど過ごした。

久々に電源を入れた私の携帯に早速、彼(社長)から電話が!

 これを最後にしよう、、そう決めて、会うことにした。
彼(社長)はやけに穏やかだった。 「怖がらせて悪かったなぁ・・」
そして、友人に連れ添いを頼み、行きつけのフレンチレストランで食事をした。
 言おう言おうとする言葉が喉から出てこないまま食事が終わった。
彼(社長)の宿泊するホテル前で、私は立ち止まってゆっくり深呼吸した、、途端・・。

 「これで、帰ってくれないか。2人きりにさせてくれ」 と 友人に札束を見せつけた。
「何をするつもりですか。彼女を返して下さい!」 固まった私の隣で彼女は言った。
「こんなフザケタ真似しないで下さい。いい大人なんですから!」

 その言葉が彼に火をつけた。
「お前、誰にモノを言ってるのか分かってんのか!消すことくらい簡単なんだぞ」 と。

 完全にイッチマッタ・・。 逃げろ・・・。 とっさに体が動いた。
彼女の手を引いて、すぐ側にあったタクシーに乗り込み、とにかく遠くへ・・と 伝えた。

 殺される・・・ 恐怖でいっぱいだった。

 タクシーに乗ってる間も鳴り止まぬ着信音、、
「○○○号室で待ってるからな、さっきはごめんな」
「○○○号室で待ってるから・・ 待ってるからな・・」  留守電に残されたメッセージ。

 とりあえず、友人宅へと引き返し、作戦会議。
彼に正直に話そう、そう決めた。 そして、警察に相談しよう。

 数日間、私は外出せずに友人宅に避難したままだった。
1日目、2日目、3日目、、、 鳴り止まぬ携帯と留守電のメッセージ。
私は音がするたび、体を震わせていた。 電源を切ること自体が怖かった。

 すると、、、
わずか一週間ほどで、パッタリと彼(社長)からの連絡は途切れた。
ホッと安心した気持ちと、今度こそ殺されるかもしれないという恐怖で板ばさみ状態。

何故、突然連絡が途絶えたのか・・。

 その後、彼から二度と連絡がくることはなかった。 黒尽くめの高級車の姿もない。
悪夢のような体験だった。 今でも 何故私に? という疑問が心に残ったままだ。

今でも某建設会社は健在している・・。  そして、私も今こうして生きている・・。



ふぅたmama
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これまでの道・・。 no.14
私は仕事中の現彼の携帯に向けて、必死でかけた。

「お留守番電話サービスです・・・」  あっ、つながった。
「あのーぉ、、、生きてるよね!! 声が聴きたい・・」 

生きて、つながっていることを確かめたかった。 そして、我に返った私・・。
何故か、、溢れ出る涙がしょっぱかったことだけ、よく覚えている。

私は神を憎んだ。
   どうして、、 どうして、、、 

 そして、その時、私は初めて自分の気持ちに向かい合った。
やっぱり、彼を好きだったんだ・・。あの時の気持ちを伝えられなかった後悔でいっぱいだった。

・・ もし、あの時、私がokしていたら? 
・・ 素直に彼の胸に飛びついて好きだよって言ってたら??

・・ 運命は変わっていた? 彼は今も元気に生きていた?


 いつもと違う私に、急いで仕事から帰ってきてくれた現彼を待って、全てを話した。
そして、子供のように無邪気に泣いた。。 すると彼は・・。
「その彼を好きだったんだねぇ。 でも、俺はいなくなったりしないから大丈夫!」

 私は、ハッとした。

 見知らぬ男のことで、こんなにも泣きじゃくる私に優しく微笑む彼の温かさを感じ、
もう何が何の涙か分からないくらい、とにかく 泣いて、泣いて、泣きまくった。
そして、彼はそれをずっと見守り続けてくれた。

なんだか、今こうして心の奥に押し殺していた気持ちを描いたら、心が静まった。
と、同時に、ずっと忘れてたあの頃の記憶が、ぼんやりと、うっすらと、、
私の心の中から目を覚ましていくようだ・・。 これも 心の整理をしてこそだ。

 今、思えば、辛く悲しい耐える恋ばかりしてきたと、ずっと思い込んでいた私だけど、
こんなにも大きな愛で包み込んでくれる彼との生活があったのだった。遠い記憶になっていた。

 あの時は気付かなかった。  いや、違う・・。 気付けなかったのだ!
彼の愛に答えられる私ではなかった、愛ということが分からなかった愚か者だったのだ。

そう、こうした彼の優しさを蹴ってまで、波乱な獣道を選んで歩んで生きて来たのだから・・。
 
ふぅたmama
これまでの道・・/心の棚卸
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これまでの道・・。 no.13
 そして、また恋をした。 

 この恋は遊びのつもりが、徐々に彼の寛大な愛と、器の大きさにて次第に愛へと変わった。
なんせ 「ずぼらで大雑把で・・そんな男オンナごと、欠点が私らしい 」 などと言ってくれたのだ。
 
 季節が巡り、春が来た。
 無事に専門を卒業した私はCMでもお馴染みの某派遣会社へ入社。

 そして、彼と人生で初となる 「はじめての同棲生活」 のスタートの幕開け。
住みかを千葉から津田沼へと、若干東京方面に移し、新たな生活が始まった。

 私が派遣されたのは大手ゼネコン会社。 けれど、あいにくオフィスでの募集は無し。
研修が終わると、派遣されたのは千葉の富津火力発電所! はぁ~?! 下り??
 しかも、仕事内容は「事務」としてのお茶出し、コピー、所長の送り迎え、、、雑用係だ。
まじかょ、、こんな下りに高速片道1500円もかけて、雑用かょーっ。(怒)

 んで、朝8時に富津・・ということは朝5時に出発ってわけ。 帰りは渋滞を避けて残業。
彼は割烹料理を目指す、料理人。夕方から出勤し、最終電車で帰ってくるすれ違いの日々。
けれど、何の不満もなかったし、今思うとあれだけ自由にできた同棲はなかったとも言える。
1人暮らしの延長上に彼がいるといった感じ、威圧感もなければ窮屈感も一切なかった。
 
そんな私の新たな生活が始まり出してまもなく、、、

 以前のむず痒いくらいピュアな気持ちで恋をさせてくれた彼の噂を耳にした。
どうしても、あの歯がゆさと誤解を解きたくて、、彼の主催するパーティーがあると聞きつけ、
当時の友人たちと迷わずクラブへ向かった。会いたい気持ちが止められなかったのだ。

 DJブースから出てきて 「よっ!」 と、私に軽返事。
覚えててくれたんだぁー。 そして、挨拶を交えたダンスを披露した。
「あの時、、私・・。」 喉のすぐ奥に詰まった言葉が出てこない。
 けれど、楽しそうに踊り、はしゃぐ彼の姿を久々に見た私のテンションは一気に上昇。
もう、これだけで十分。 会えてよかった・・。 

 空虚な気持ちを抱えたまま、しかし、再会できた喜びを胸に刻み込んだ帰り際、
彼が私のところへやってきて、「また、遊ぼうぜ」 そう描かれた1枚のメモを渡された。
そこには、電話番号と彼の名前、イラストが描かれていた。 マジックペンでの殴り描き。

ぅわぁー、嬉しい! これって、また友達になれるってことだょね。

 それから数週間後、彼に電話。 久々の彼との電話は会話が弾んだ。
不思議とあれだけ詰まっていた「あの時の誤解」についてもすんなりと話していた。
彼は、私がNO!を出したと判断したこと、好きでいてくれたことを告げてくれた。
これで、ようやく 「友人」 として仲良くやっていけそうだね! なぁーんて会話。

それが最期の電話だった。

 2週間後、彼はいなくなった。 私の体は震えが止まらなかった。
心臓が飛び出しそうで、ソワソワして、、、いてもたってもいられず、携帯に電話した。

「 お客様の都合により使われておりません・・・。 ツーツーツー 」

嘘だぁーーーーー!!!嘘だぁぁぁーーーー!! 音を立てて崩れていく私がいた。

---- 私が愛した人はいなくなってしまうのかもしれない ---- 脳裏に浮かんだ。

ふぅたmama
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これまでの道・・。 no.12
彼がいなくなった私の生活は、現実と過去の妄想の間で板ばさみになりもがき苦しんだ。
しかし、夜が明ければまた朝がやってきて、生きている実感を痛みで感じていた私だった。

 私は生きている・・。 そぅ、こうして生きている・・。 何度も自分に言い聞かせた。

 当時の私を救ってくれたのは友人たちだった。
「泣くだけないていいんだよ、大丈夫。 心の痛みが取れるまで一緒にいてあげるから・・」
彼女たちは、見てくれは悪いが心の優しい、人の痛みを自分の痛みのように思ってくれた。

 笑いを忘れてしまった私に、何かをして楽しませようと彼女たちは必死だった。
カラオケ行って歌いまくる? クラブ行って踊りまくる? こうなったら遊びまくろうか!!

 おぃおぃ、、そんな、めちゃくちゃなぁ・・って、考えも、彼女たちなりの思いやりの1つ。
知り合って間もない私のために、流してくれた涙、思ってくれる気持ちが嬉しかった。
 思考回路の停止した私は、とりあえず彼女たちの案にのった。
そして、何かをしてないといられない中毒患者のように遊び狂ったような、曖昧な記憶あり。

 その間、何人もの男性が、私の人生を通り抜けた。 若気の何とかってやつょ。
でも、、ピンと残る記憶はないの・・。 なんとなぁーく、生きてたって感じでしか覚えてない。

ようやく彼のことを過去の出来事として、自分なりに処理が出来るようになるまでに
どれくらいの期間がかかったのだろうか・・。

 そんな私に新たな “恋心” を芽生えさせてくれる人物との出遭いが待っていた。
そこには、むず痒いくらいピュアな私がいた。 少女のような交じりっ気1つない恋心。

 久々の恋に弾む私の純粋な心とは裏腹に、人を愛することに恐れを感じていた。
けれど、満面の笑みで私を楽しませてくれる彼に、そんな気持ちを悟られぬよう必死だった。

好き・・。でも、怖い。 好き・・、でも。 でも・・。  好きになるのが怖い・・・。

 彼が私に思いを寄せてくれていることに、100%答えたいのに素直になれない。
私は必死で気持ちを抑え、「冗談でしょ・・? いいょ、このまま友達のままでずっといようょ!」

 恋人未満の微妙な関係がしばらく続いたある日、彼からkissしたいと言われた。
kissなんて朝飯前さ、、以前の私なら、待ってました~と言わんばかりにokしていただろう。

けれど・・、 体が動かない。 kissなんてしてしまったら・・。  ダメ、絶対に、心が叫ぶ。
また、彼もいなくなっちゃうかもしれない。。  あーー、神様、時間を止めてーー。


 「俺のこと嫌い?」 と彼。  「ぅうん・・、違うの。」 と私。
それでも、彼は優しく微笑みながら ほっぺにチュっとkissをした。
心臓が飛び出てくるほど高鳴った。 嬉しかった。 幸せだった。

けれど、思わず、彼を振り払ってしまった私・・。

 あーー、終わった。 心に恋の終わりを告げる鐘がゴーンと鳴ったような気がした。
何も言えなかった、本当は好きなのに、側にいてほしいのに、彼を必要としていたのに。
それから、彼からの連絡は一気に減っていった。 私は携帯から彼のアドレスを消した・・。

 そんな気持ちとは裏腹に、新しい恋人との平凡で、それなりに楽しい日々を送っていた。
またまた、サーファーだ! 海・・・ 心の蓋をそっと開けて、海を眺めて彼を待つ日々。
いつも間にか、海に対する悲しい気持ちは波と共に打ち消されたかのようだった。

しかし、彼との交際はそう長くは続かなかった。若気の何とか・・よりはずっと長いが。笑

 
ふぅたmama
これまでの道・・/心の棚卸
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